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zoom RSS No21 企業文化による経営を取り戻せ! その1

<<   作成日時 : 2009/12/22 06:04   >>

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円高、株安、デフレ…2009年は非常に厳しい年となりました。
近くのスーパーへ買い物に行っても安売りのオンパレードです。

ものが売れない時代にどうすれば生き残れるのか…
各企業は必死でコストダウン、人員のスリム化など守りの
施策に取り組んでおられます。

しかし、商品を安くする、人を減らすだけでは将来が見えてきません。

新しい価値を持った商品や市場の形成が必要…分かってはいるのですが、
そう簡単に出来るものではありません。

今回は、将来を見えるようにするために、今何をするべきなのかについて
お話をしたいと思います。


< 企業文化と業績の関係 >

多くの日本企業は、これまで「企業文化による経営」を行ってきました。

「企業は社会の公器」「従業員は家族」といった経営理念のもと

全従業員が同じ目的のもと一丸となって努力することが、
企業の業績を上げる方法である…そういった経営をしてきました。

(松下幸之助さん、本田宗一郎さん、稲盛和夫さん…
世界的に有名な経営者が創業した企業に皆が学んできました)

一方で、欧米企業の多くは、「企業統治による経営」です。

株主と経営者の2者が企業の主体者であり、従業員はリソースである
という考え方です。(資本主義の原則そのまま…です)

高い業績は、優秀な経営者(CEO)がもたらす。
企業の目的は株主の利益を最大化すること…

10年程前から、外国資本の日本株式市場へ誘導を目的に導入が叫ばれた
コーポレートガバナンスの本当の姿は、この「企業統治による経営」です。

しかし、ほとんどの日本企業では導入が上手く行っていません。
そして、導入に成功した企業の業績も一時的には回復しますが、
長期的に見たとき、凋落傾向となっています。

・・・なぜ?

また、派遣社員、契約社員が社会的な問題となっていますが、
大変だ大変だと云うだけで、本質的な議論が欠落しています。

・・・なにを?

このままでは、日本の製造業は海外に流出してしまう…
そんな社会的な不安が渦巻いていますが、私はそうは思っていません。

日本企業再生のヒントは、ここにあると思っています。


< 企業再生の鍵 >

「企業統治による経営」は従業員の幸福を主な目的としていません。
極端に言えば従業員は利益を生み出すための1パーツです。

経営者の目的は、如何に安いコストで優秀な従業員を調達するか…となります。

政府がいくら派遣禁止を法制化しても、営利目的である企業は
業績をあげるために、安い人件費を求めて海外に拠点を移していきます。

また、それが日本の市場の縮小を招いて、さらなるデフレスパイラルを起こす…

たまたま、この10年間、海外市場や輸出が好調だったために
隠れていただけで、「企業統治による経営」を進めれば必ず起こることです。

これが現在の日本の姿です。

アメリカ式の「企業統治による経営」をそのまま推し進めれば
長期的には、日本の衰退を招く危険がある…

これが、この10年間で学んだことです。

では、どうすれば良いのか?

日本は「企業文化による経営」で戦後の奇跡的な高度成長をしてきました。
つい10年前まではそれで良かったのです。

しかし、企業の成長とともに、この経営方式にも様々な問題が生じて
業績向上に結び付かなくなってきた。

従業員の高賃金化、チャレンジしない守り体質…

これが、アメリカ式の経営方式を導入してきた経緯の
(外資導入という名目はありましたが)本質にあります。

私は、松下電器、日本HP、そして日本総合研究所…
それぞれに非常に特色がある企業で働いてきた経験から、

 「やはり、日本の製造業や流通業などの「モノやサービスを扱う企業」には、
 日本独自の「企業文化による経営」が、世界的競争力を確保するためには
 もっとも向いている」

と思っています。

単一言語、単一民族、勤勉で正直で、天才はいないけれど皆優秀…

そんな国は世界的見ても、あまりありません。

本当に「企業文化による経営」では業績は上がらないのでしょうか?

どこが悪いのでしょうか、何をどうすれば良いのでしょうか?

私は、日本はいま、経営者も従業員も、このことについて真剣に考える時期
にあると思っています。

では、企業文化とは、どのようにして生まれ、どうして問題が発生する
ようになってきたのか…

まずは、その辺りについてお話をしたいと思います。



< 企業成長曲線と企業文化 >

人間に乳幼児、青少年、壮年、熟年…といった成長の段階が
あるように、企業の成長にも時間の経過と共に

創生期 ⇒ 成長期 ⇒ 極大期 ⇒ 減退期

という、大きく分けて4つの段階があると思います。

その成長の段階を、企業規模と時間の関係にして図に表すと、
S字カーブを描くと云われています。(参考図)

画像


企業文化の成り立ちには、成長の各段階での活動と
密接な関係があると思います。


( 創生期 )

どんなに大きい企業でも、最初は小さな町工場や商店だったはずです。

創業した企業の9割以上が3年でなくなり、残った企業の9割がその後の3年間で
失敗をして無くなるか、小さなまま終わってしまうと云われています。

ですから、成功する企業は1%にも満たない…
と云うのが起業の常識となっています。

どんな企業も最初の3年間とその後の3年間…つまり創生期には、
まさしく生き残りをかけた戦いをしてきたと云えます。

ですから、その時にお客様から頂いた多くの声、数々の苦労や失敗から得た
教訓や考え方が、社長や創業メンバーに生き残るための心得として残っていきます。

その内容はまさしく「実践から学んだ企業哲学」と云えます。

私は、この創生期の企業哲学がその後の企業の根幹となっていきますので、
一般的な企業文化と分けて

「企業DNA」と呼んでいます。

松下電器さんの「水道哲学」「ものを作る前に人を作る」
ホンダさんの「失敗を恐れるな、何もしないことを恐れろ」

などはまさしく企業DNAだと思います。


( 成長期 )

その後、企業が成長期に入ってくると、事業の拡大とともに人が増え
創業時の教訓や考え方を、新しい従業員が理解して実践できるようにする
必要性が生じてきます。

ところが、考え方は同様の経験を積んでもらい、そこから深く学んで
貰わなければ正しく伝わりません。

ですから、誰にでも直ぐに理解してもらうために
(短期間で仕事をしてもらうため)、

「短い言葉」や「仕事のやり方」に落とし込んでいくことになります。

つまり、創業者達の哲学(企業DNA)を短い逸話にしていく、
(経営者の語録は、回想録的に側近によって後述されたものです)

そして、誰でもわかる仕事の仕組みにしていく、
(トヨタさんの「JIT」ホンダさんの「ワイガヤ」などはその典型だと思います。)

ことが行われます。これらが、企業文化や風土と呼ばれているものです。


( 極大期 )

そして、さらに企業が成長していくと(極大期)、

何もかもが上手く行く、敵などいない…我が世の春は永遠に続く…

極大期を迎えた企業は、心のどこかでそう思ってしまいます。

そして、さらなる成長を目指して、企業買収をしたり、積極的に異文化の人間を
招き入れます。

しかし、そうすると、これまでとは違う考え方ややり方の人が良い評価をされる
ようになります。

長年その企業に勤めてきた人間にとっては脅威です。
企業文化を逆手にとって自己防衛に利用する人も出て来ます。

良い方向に向かえばよいのですが、多くの場合、
その後の「企業病」といわれる種となっていきます。

チャレンジしない、決めない、責任を取らない…大企業病
すべてが経営者の匙加減、身内意識…中小企業病

こうなってくると、目に見える大きな問題は発生しませんが、内部では、
派閥や組織間の抗争、従業員の働く意欲の喪失など
非常に大きな問題を抱え込みます。

成長期では上手くいっていた「企業文化による経営」が名目的となり、
序所に「世渡り上手による経営」に変っていきます。


( 衰退期 )

成熟した市場には、必ず新しいルールで戦いをする競合が現れます。
そして、どんな商品にも寿命がありますし、新市場はそう簡単に
開拓できません。

新興企業に市場を奪われる、既存商品の市場が縮小する…

そういった難局に遭遇した時に、「世渡り上手による経営」をしていた企業は、
切り抜けることが難しくなります。

また、強い求心力となっていた創業者や創業メンバーは既に引退されているか、
存命ではない場合が多いため、一丸となって対処することも困難となります。

経営者を含め全員が迷い始め、目的意識や行動がバラバラになって、
業績が低迷し始めます。

企業衰退期の訪れです。


( 変局点 )

衰退期を迎えた企業が、そのまま衰退していくのか、それとも
次の成長、つまり新しい企業成長の創生期を迎えるのか

どちらに転ぶかわからない節目、それが企業成長の変局点です。


< 日本企業の多くは不連続な変局点を迎えている >

企業成長曲線は次の成長曲線との継ぎ目は、普通は連続していないので、
「不連続な変局点」と呼ばれています。
(参考図中央部)

余談ですが、日本全体の不連続な変局点について考えてみると、
幕末/明治維新、太平洋戦争/戦後と云った時期がそれに当ります。
そして、俗に言われている70年周期説では、2010年前後は次の変局点の時期
なのだそうです。当っているように思いますが…真偽は定かではありません。

『この先どちらに転ぶかわからない混沌とした状態』

それが、不連続な変局点です。

中国や韓国企業に代表される新興国企業との競争、
為替/株式市場やIT市場における欧米企業の大資本との競争

世界一品質が良く、安くて安全な商品を作ればよかった時代が
終わりつつあります。

将来への展望が見えず、デフレの恐怖で身動きできない

まさしく、日本企業は今、不連続な変局点に立っていると思います。


<  企業文化による経営の本質とは >

企業の成長をドライブするのは、売れる商品でしょうか、
新しい技術でしょうか、はたまた素晴らしい経営者でしょうか?

商品も技術も、その企業で働く人が生み出したものです。
また、経営者一人ではどんなに優秀でも何も出来ません。

突き詰めて行けば、

『 企業の成長はそこで働く人々によってもたらされる 』

と云うことになります。

また、企業は個人でやっている訳ではありませんので、
人々が集まった様々な現場のチームによってもたらされます。

つまり、

『 現場チームの動きが企業成長をドライブしている 』

と云うことになります。

企業の極大期や衰退期でよくみられる「世渡り上手による経営」から、
もう一度「企業文化による経営」に戻すためには、

このことを経営者から従業員まで全員が再度深く理解する必要があると思います。

「企業文化による経営の本質」とは、踊る走査線の青島刑事ではないですが、

「業績は、社長室で生み出すものではなく、現場で生み出す」

ことにあると思います。

アメリカ式の「企業統治による経営」をすればするほど、
主体者は現場から遠ざかる宿命にあります。

「欧米を模倣しただけの経営では、これまでの経営と矛盾する」

多くの日本企業にこの基本原則を理解してほしい…切にそう思います。

不連続な変局点を乗り切るためには、どのようにすれば良いのか

新しい時代にあった「企業文化による経営」が出来ないのか?

次回は、その辺りの方法についてお話をしたいと思います。

以上

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